木工をはじめて最初に就職した会社は昔ながらの指物家具を制作している木工所でした。
今ではめずらしく「あて台」という床座タイプの作業台で無垢材に組み手をほどこし組み上げていくスタイルです。
その会社の表立った特徴として家具を漆で仕上げるというものがあります。
漆というと椀物や工芸品のイメージが強いかとおもいますが、ただでさえ何度も塗り重ねる手間のかかる作業を、時には一間もある、よりによって複雑な作りの茶箪笥に塗っていくようなところでした。
私は基本的に木地を制作する職人として働いていましたが最初の1年は半分くらい塗りを手伝い、その後も場合によっては助っ人に入るというような感じでした。
また、伝統工芸を引き継いでいくシステムが行政に組み込まれていたことで、本職を相手とした講習会もあり、そちらにも参加していました。
それから数年、漆を触る機会がありませんでしたが、今回、自分でやるならと、久々に漆を使いました。
薄く何度も重ねていく拭き漆です。
刷毛を洗い、整えるところからはじめ、準備していた木地に塗る。
室はないので簡易の段ボール室に棚を作り、乾かす。
作業としては覚えているので問題なかったのですが、自分の防護を忘れてしまいまして…
手袋はもちろんしていましたが、5分袖で作業をしてしまいました。
初回はテレピン油を加え、ゆるくして塗る手法をとっていたので余計飛び散っていたのだと思います。
木地を持っていた左腕、肘から手首までがおぞましいことになっております!
かゆさで夜中に目が覚めました…。
掻くと治りも遅いですし、とりあえず家にあったム○の強いやつを塗り、腕用氷枕をつくりなんとかしのぎました。
本当にかゆいです!
さっきロング手袋が届いたので次回からはしっかり防護して作業します。
今回塗ったのは木のお皿と1点物のお盆です。
そのうちオンラインストアに出しますので、よかったら見てみてください!
ちあき
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